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フジスター男女賃金差別事件の東京地裁判決に対する声明

 

 本日、2014年7月18日、東京地方裁判所民事第11部は、フジスター賃金差別事件について、賃金支給について差別があったことを認め、慰謝料50万円と弁護士費用5万円を支払うよう命じる判決を言い渡しました。

 違法な差別があったとされたのは、役職手当、家族手当、住宅手当です。会社では、家族手当と住宅手当は支給基準を男女で異にしており、これが性差別賃金であることは明白です。また、役職手当については、男性では勤続11年を超えれば主任手当を支給していたのに女性は8年遅れて支給される実態は合理的なものとはいえないとして性差別であると認めました。

 また、デザイナーなど企画職(女性が多数)と営業職(男性のみ)との間の基本給や職務給については、職種が違うというだけで性差別賃金であることを否定できないとし、格差が合理的かどうかを職務評価の観点から検討しました。労働者側は、ILO100号条約に基づく性中立的・客観的な職務評価基準に基づいて、営業職も企画職も同じ価値があるとみるべきだという鑑定結果を提出していましたが、判決では、会社が賃金を決めるにあたり、職種ごとにどんなインセンティブを付与するかは、会社が目的とする事業にしたがって判断することなので、それを超えて不合理が認められるかが問題だとしました。そして、労働者側の職務評価には公平性の点で疑問があるなどと判断し、不合理な性差別賃金であるとまでは言えないとしました。

 原告が入社した当時の就業規則には、男女差別定年の規定があったほか、家族手当・住宅手当の支給にも明白な性差別があり、主任手当の支給に対しても判決が認定するような性差別が認定できると判断したのに、基本給と職務給については、性差別賃金とまではいえないとしたのは不当です。職務評価の手法を判断に取り入れたことは評価できますが、経営判断が優先するかのような判断は到底容認できないものですし、明らかな事実誤認もありますので、原告は、直ちに控訴の手続きをとることを決めました。

 これからもご支援よろしくお願いもうしあげます。
 

2014年7月18日
フジスター事件原告・弁護団

 


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