労働政策審議会雇用均等分科会は、8月7日から「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築」に向けて審議を始め、たった5回の審議で9月末には「建議(民間部門)」をまとめた。10月7日には法案要綱を諮問・答申し、10月17日政府は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」案を上程した。法案は10月31日衆議院本会議の質疑を経て、11月12日内閣委員会で審議され、13日には参考人意見聴取と質疑が行われた。しかし、解散・総選挙という予想外の展開で、この法案は安倍政権の目玉法案であるにもかかわらず審議未了で廃案になるが、廃案になってもこの法案は次の通常国会に再提出されると思われる。
法案は官民の事業主に「女性の職業生活における活躍」にむけた行動計画策定を義務づけるポジティブ・アクション法であるが、この法案では、首相がいうところの「すべての女性が輝く」には不十分と言わざるを得ない。一部女性の管理職登用によって、男女格差が解消したかに思われ、差別是正が進まない恐れもある。したがって、以下に指摘したポイントを踏まえて法案を修正し、実効性のあるポジティブ・アクション法にすべきである。とりわけ、法案成立後、省令・指針で策定することになっている行動計画の内容については、引き続き意見を反映させていきたい。