均等待遇アクション21は、「どんな働き方でも均等待遇を! 同一価値労働同一賃金を! 間接性差別禁止を法律に! 均等法を男女雇用平等法に! 有期雇用にも均等待遇を!」の実現を求めて活動するNGOです。
12月12日労働政策審議会・労働力需給制度部会に示された「報告書骨子案(公益委員案)」は、「臨時的・一時的な利用に限ることを原則とする」と書きはしたものの、過半数労働組合から意見を聴取すれば派遣を継続できるとされています。まさに企業が労働者派遣をいつまでも使い続けることができる改悪案といわざるを得ません。
昨年10月の法改正にともない研究会が委託された内容とは真っ向違う研究会報告に基づき出された骨子案は、派遣労働者の不安定雇用の元凶である登録型派遣を「禁止しない」とし、均等待遇を放棄し、均衡処遇として望ましい事項を指針に規定するとしています。これでは、派遣労働者の保護に資するとは思えません。
そもそも自民党・公明党の修正をとりいれて成立した改正派遣法を施行1年余しか経過していないにもかかわらず再度法改正する必要があるでしょうか。
今回の骨子案にもとづく法改正がなされれば、派遣という働き方が一般化し、低賃金の使い捨て労働が一層ひろがることは明らかです。とりわけ登録型派遣の大多数を占める女性労働者が、短期のこま切れ化で仕事を失い貧困化するのを看過するわけにはいきません。見直すなら、ILO181号条約で保障するよう求められている派遣労働者の権利をより確実なものとし、労働者派遣のあらゆるステージにおける性別・年齢・障害などを理由とする差別を禁止すること、派遣労働者であることを理由とする不合理な格差を撤廃して均等待遇を確保すべきです。
この間、労働側からは強い批判が上がっています。それを無視して年内取りまとめを急ぐことの無いよう強く要請します。また派遣労働者の声を聴き、臨時的・一時的業務かつ常用代替防止と言う原則を踏まえて、派遣労働を人間らしくするために十分な論議を行うことを求めるものです。